住民投票

 少し固い話になりますが、住民投票制度というものがあります。住民投票とは,特定の問題について、住民が直接に意思を示す制度で、地方自治法第74条に定められています。
 住民投票の結果に法的な拘束力はありませんが、首長は住民の意思としてその結果を最大限に尊重しなくてはなりません。民意を尊重しなければ、次の選挙は落選が待っています。
 住民投票を行うにはまず、「住民投票条例」を作り、議会での議決が必要となります。私の住む登別市だと、令和3年6月1日現在の有権者数(選挙人名簿登録者数)は40,630人ですから813人以上の署名があり、議員の過半数(10人)の賛成があれば条例制定の請求ができるということになります。

 私はかねてより「新しい市役所本庁舎は水害の危険性がない高台に建設すべきである。」と提唱しており、議会定例会の中で独自の調査結果やデータを用いて、災害時における行政運営確保の観点からその必要性を述べさせていただきました。
令和3年6月に北海道より新たな津波浸水想定が示され、登別市は現在地での建設を事実上断念し、高台への移転に舵を切りました。

 仮の話になりつつありますが、建設位置が現在位置(海抜3.5m)と決められた場合には、私は政策目標が同じ議員を募り、学者等のアドバイスを得て約1,000名の連署を集め、「市役所本庁舎建設位置再考に関する条例」を作り議会の議決を得て、住民投票を行うつもりでした。そこで広く市民の意思を問い民意によって場所を決定しようと考えていたのです。 
 過去から現在に至るまで登別市で住民投票の実施は一度もありません、その結果次第によっては市政を大きく混乱させた責任や、感情的にも「しこり」を残す市民も出るだろう、そうなった場合は何等かの責任をとらなければならない、そのように考えておりましたが、幸いにもそのようなことにはならなくて済みそうです。
 最終的な場所の公表は令和3年10月中旬に示されることになります。