Stop the one hundred 1

 私の住む登別市には登別川渓谷に架かる「新登別大橋」の言う名の高度差約120mの橋があります。四季を通じ季節の折々には風光明媚な景観を楽しむことができますが、一方では負の側面もあります。とても飛び降り自殺が多いことです。私は平成20年に故郷の登別に転勤と言う形で勤務することになり、仕事の都合上、ほぼ毎日この橋を車で通過することになりました。
 そこで気が付いたのは、この橋から年に数件は必ず飛び降り自殺があり、地元の警察官、消防隊員が収容作業をしているという現実でした。事故現場を通る度、感じたことは「なぜ防止策を施さないのか」という疑問でした。このような自殺多発地点では看板や何等かの手段により防止策がとられるのが普通ですが、何年経っても何ら対策を打たれることはありませんでした。いわば「飛び放題」です。 
 地域の人々にこの不可思議な現実、その理由をきいて回りましたが、「看板は景観を損ねるのではないか」とか「橋に防止策を施すのは観光地としてマイナスのイメージを与え、好ましくないのではないか」などと推測の域を出ない答が返ってくるばかりで、観光を統括する団体に、そのような考えがあるのかと尋ねたところ、そのような考えはなく、人命が第一であるとの答えがあり、景観を損ねる云々は流言飛語であることがわかりました。
 その後私は退職し、市議会議員に立候補し平成27年に登別市議会の一員となりました。器用ではない私は当面議員活動一本に集中することにしました。年収は約40%OFFとなり生活は苦しくなりましたが、それと引き換えに1日の時間を自分でマネジメントできるようになり、行動の幅は飛躍的に向上しました。
 長年気になっていた新登別大橋の飛び降り防止に対して、自分は何ができるのか模索した結果、まずは毎日の見回りを始めることにしました。大橋は私の自宅から車で約5分です。経験上飛び降りは朝方に多く発生しているので、朝に現地に行くこととし、切りの良い平成29年1月1日からパトロールを開始しました。駐車場の確認、上流側の谷底、下流側の谷底を視認することを日課としたのです。行政視察等で本州方面に出張する以外は、ほぼ毎日パトロールを継続しております。現在に至るまでに何度か衝撃的な出来事が私の目の前で起こりました。

 私のホームページなどを読んでくださる方がそれほど居られるとは思いませんが、長くなりますのでこの続きは令和2年1月10日前後に記述したいと思います。