朋友

 中華民国(現台湾政府)はかつて中国本土に所在していました。1945年以降、中国国内では共産党軍との内戦が激化し1949年、蒋介石は中華民国政府を台湾に移転、その際120万人の中産階級層等を随行し台湾政府を樹立させ現在に至っています。
 当初国連の加盟国でしたが1971年の国連総会において、議席を北京当局に与える採決によって台湾は国連加盟の地位を失いました。さらに翌年、日本は中華人民共和国と国交を回復させ、表面上台湾と我が国との国交は断絶し、その状態は現在も続いています。

 台湾は移転後、独自の経済発展を遂げ、人口約2,355万人(世界人口順位55位)面積3万6千平方キロメートル(九州よりやや小、2017年7月外務省基礎データより)にもかかわらずGDP22位の経済規模を有していることは驚嘆すべきことで、これは長年の充実した教育施策を背景とした民度の高さにあると考えられます。また東日本大震災に真っ先に支援を申し出てくれた国が台湾で、総額200億円(世界で1番)の支援金が届けられました。

 日本国内公共交通機関等において見られるのは、同じ中国語を話す旅人でも、傍若無人に会話をしている一派と、静謐に話しているタイプの2種類があることです。どちらのタイプがどの国籍かは聞いてみなくてはわかりませんが、「大声派」の文化的熟成度はまだ途上であると感じます。(かつての日本も1970年代はJALパック等のツアーで世界各国に飛遊し、当時の西欧諸国に顰蹙を買った経緯がありますので人のことは言えませんが)。

 北海道には21の日台親善協会があり、私の住む登別市にもあります。当地の温泉には平成28年度、延べ約48万人の外国人観光客が宿泊し、その内約17万人が台湾からのお客様で過去3年間1位です。このロイヤルカスタマーといえるこの国のどの地域から、どのような客層が、何に興味を持って、登別温泉に訪れているのか具体的な分析はこれからと言えます。
 いずれか私にとって興味深い、朋友とも感じるこの国に渡り、上記を含めた独自の現地調査を行ってみたいと強いモチーフを感じている今日この頃です。