年に数回、ボランティアで海岸のゴミ拾いに参加していますが、ゴミとされる漂着物の多くがペットボトルを主体としたプラスチック類です。「海は陸から来たものは陸に戻す」とされていますが、目にするゴミのほとんどは人間が捨てた事は確実です。
令和元年から現在まで、4月から11月の間に道路沿いのゴミ拾いを日課としており、収集したごみを分類しデータ化しています。そのサンプリング結果をみると約53%がプラスチック系のゴミであり、この傾向は大きく変わることはありません。
マイクロプラスチックの問題については最近報道等で目にする機会も増えており、知りませんでしたがこのマイクロプラスチック(以下「MP」)には1次的なものと2次的なものがあり、1次的なものはマイクロビーズなどと呼ばれ微小なサイズで製造されたもので、洗顔料や歯磨き粉などに利用され排水溝などからには海に流出します。これは自分も含め人類がほぼ毎日排出していることは間違いなく、昔のCMにキッチンの排水口を指し「ここは海の入口です」というキャッチコッピ―を観た記憶がありますがまさにそのとおりかと思います。
2次的MCはごみ拾いでおなじみのポイ捨てプラスチック類で、紫外線や波浪等により劣化し粉砕され、目に見えぬほどの微細な粒子となり、やがて2次的MPと呼ばれるようになるようです。
MPは、DDTやPCBなどの有害物質を吸着しやすい性質があり、これらをプランクトンがエサとして摂取すれば、後はお決まりの食物連鎖で有害物質が生体濃縮を重ね最終的に連鎖の頂点に位置するホモサピエンスの体内に蓄積されるという図式となります。
最近の研究報告によれば大気中にもこのMPは漂っており雪や雲の核となっており、北見工業大学研究グループが道内数カ所で採取した雪を分析したところMPは全地点で検出されたとの結果が示されました。上空の雪は気温によって雨に変わり地上に恒常的に降り注ぎます。
私はごみを捨てる側の人間ではありませんが、人類が所かまわず投棄したプラスチックはMPに姿を変え私の体内にも取り込まれているはずで、残念ながら我々人類の行っている因果は老若男女善人悪人を問わず平等に応報されております。
マイクロプラスチック