読んで字のごとく黙して語らず、黙秘に関する権利は「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」と憲法第38条で定められており、被疑者または被告人が、取り調べに際して行使できる権利であることは、誰もが承知していることです。
しかし個人としての権利いわゆる「生存権」等を、過失または故意により侵害した者が、その理由と顛末を語ことは、いわば義務であり責任ではないのか、また、他者の権利を侵しながら、権利を行使できるのは公平性という観点から見ていかがなものか、この権利については強い違和感を覚えます。
登別市においても平成29年11月、飲酒運転の男が、他車とトラブルを起こし逃走、信号無視を2回重ね、3番目の信号で横断歩道を歩行中の男子看護学生をはね死亡させるという事故がありました。この男は逮捕後取り調べの際も黙秘しているとの報道されており、平成30年11月に行われた裁判においてもまた黙秘権を行使したとのニュースが流れました。
40歳にもなるこの被告人が、個人が罪を逃れるために、または自らが置かれた状況からの刹那的な逃避か、あるいは関係者の入れ知恵で黙秘しているのなら「浅はか」としか言うべき言葉はなく、亡くなった方への深い祈り、遺族に対し心からの反省と謝罪、自らが犯した罪を償う心がないのであれば厳罰に処されるべきと考えます。
自らの罪に対して語らなければならない義務の放棄、責任から逃避した その末に待ち受けているのは、長い服役と 出所後のいばらの人生でしょう。