議長不信任決議案

 去る2025(令和7)年3月21日開催第1回定例会最終日の本会議において、賛成9、反対8の結果により、議員定数を19名から16名に削減する条例案が可決されました。議員16名体制は2025(令和9)年統一地方選挙後の5月から施行されます。ここに至るまでの議論については別の機会に譲りここでは省略したいと思います。
 採決寸前に、緊急動議で現議長へ不信任決議案が提出されました。提出者は共産党ですが反対派8名の意志によるものです。
地方議会における「不信任決議」は仮に可決しても法的拘束力はなく、意志の表明に過ぎないものですが、「現議長を信ずるに足りず」と公言した形となります。
 決議案の要旨としては「数の力で拙速に結果を迫った、慎重派への配慮が欠けた、中立で公平な職務を全うしているとは言いがたく、今後の運営についても不安が残る」等といった内容です。
 今般の定数削減条例案の提出において私は削減派のリーダー役として3名減の議論を進めてきましたが、議論の過程においてもそのような事実はなく、主観的なものであると認識しています。それよりも懸念されるのが全国の地方議会からの登別市議会に対する評価です。もとより本市議会は議会改革の先進的取組を行っており、現議長が就任してからは全国の地方議会から視察が相次いでおります。それが今回の不信任決議案の提出がどのような影響を及ぼすのか中長期的に見た場合、全国地方議会等からの評価、評定が本市議会のマイナス要因となることが危惧されます。決議案については質疑の後、反対討論、賛成討論を経ての採決に至りますが、私は以下のとおり反対討論をいたしました。(以下原文のママ)

「議長不信任決議案について、只今の提案理由に対し反対を申すものであります。現議長におかれましては、その卓越した知識と経験により登別市議会を約4年に渡りリードしてきました。
 特に議会改革においてその手腕を発揮されており、議会基本条例等を不断に見直し、その先進的な取り組みと功績は早稲田大学マニフェスト研究会において高く評価され、登別市議会の名を全国トップレベルに押し上げております。多くの自治体が市議会を対象とした行政視察に訪れていることもその査証であります。
 先ほど示された提案説明について様々な質疑がなされましたが、全国の地方議会から注目度の高い本市議会において、議長の不信任案の提出は、登別市議会の運営運用を模範とし、または規範にしようとしている他自治体の議会に大きな負の印象を与えるものであります。この事実は燎原の火のごとく全国へ広がり、本市議会にマイナスのイメージが生じた場合、この瑕疵は払しょくできるものではありません。
 今まで先達から引き継ぎ、営々と築き上げてきた本市議会のステータスを自ら損なうことになりかねないことに、慙愧の念を感じるところであります。
 できればこのようなことは、今後の議会全体のことを考えればやめていただきたかった。反対することはもとより、誠に残念でなりません。」

 採決は無記名投票の結果、賛成8、反対9で否決となりましたが、今般出された議長不信任決議案については、「議長ひいては議会全体の権限を自ら下すものとして厳に慎まなければならない」(議員必携記載)ものであったと考えております。