悲嘆

 ロシア軍の侵略で、ウクライナは絶望的な戦いを強いられています。美しいキエフの街並みは廃墟のようになり、第二次世界大戦時の写真と何ら変わる所はありません。
 核の使用をちらつかせ、周辺諸国を恫喝し、隣国を蹂躙し、無抵抗な国民に砲弾を撃ち込むなど、人間として常軌を逸した行為に言うべき言葉はなく、77年前の大戦の結果から我々は一体何を学んだのでしょう。
 映像で配信される破壊された住宅、幼子を抱え逃げ惑う母親、瓦礫の中を重い足取りで歩く年老いた夫婦、これは本当にこの21世紀の出来事であるのか、「世界恒久の平和」「正義と秩序を基調とした国際平和」など絵空事ではなかったのかと今更ながら思い知らされました。
 これからは核を背景とした強大な軍事力を持つ国が、持たざる国を踏みにじることが当たり前に許される時代が来るのでしょうか。
何を言っても使い古された言葉や文字しか出てこない、何も防ぐこと、守ることも出来ない苛立ちと虚しさ、今の私にはただ祈ることしかできません、どうか世界に受難の時が訪れませんよう。