温泉排熱

 登別温泉は一日約1万トンの湧出量があると言われており、各ホテル旅館に配湯されています。これらのお湯は温泉入浴として利用後、クスリサンベツ川に排出されています。一部ホテル等では排湯熱を利用したヒートポンプシステムを導入や、歩道の融雪システムに利用されておりますが全面的な普及には至っておらず、その多くは30℃台の温度を保持したまま排湯されているのが現状です。(シャンプー等の界面活性剤成分が除去されているかの議論はここでは割愛します)

 近隣の壮瞥町では温泉排熱によるトマトのハウス栽培が軌道に乗っており、冬期においても安定して収穫されて「オロフレトマト」として定着しています。登別市においても上登別地区で温泉排熱を利用したビニールハウス野菜栽培の試みがあり、その成果を心待ちにしておりましたが、収穫を見ることなくハウスはなぜか近年撤去されました。

 登別温泉は硫化水素等の含有量が高く、本州に事例のあるようなトラフグ等の養殖には適していませんが、常時30℃台の温度を保持している点は大きな優位点です。ホテルで利用の多いイチゴや柑橘類、南方系フルーツの栽培は需要が見込めるものと考えます。
この地域特有の熱源の新たな活用策を「そこはかとなく」思案している今日この頃です。