9月6日未明に発生した、北海道胆振東部を震源とする地震は、厚真町を始めとする胆振管内に甚大な被害を与え、苫東厚真火力発電所の緊急停止により、北海道全域に未曾有の大停電をもたらしました。被害の実態や復旧作業の様子はメディア等で全国的に広く報道されています。
私の住む登別市も本震後すぐ全市がブラックアウトとなり、6日から翌7日午前中まで、完全な停電状態が続きました。市内4か所の公民館に避難所が開設され、私は6日の日没後、各避難所と市役所本庁舎を回り、避難所の実態把握を行いました。
市の職員は少ない人数ながら、積極的に市民に声を掛け頑張っておりました。各避難所とも避難名簿人数の割には館内には多くの人数がみられます。しばらく様子を伺いますと、それらの多くがスマートフォン等の充電のため来ていることが判りました。発電機からドラムコードを引き、タコ足配線でパソコン用テーブルタップ(延長コード)から多くの端末が充電されていました。少ない充電場所を求め多くの住民が集まる中、中高生がスマートフォンでゲームを行う姿(どの避難所にもいた)それを注意しない母親等を見るにつけ、なぜこのような人種が出現するのか、これらを生み出す社会的背景や家庭環境はどうなっているのか、私にとって興味深い現実を目にすることとなりました。
目にした各避難所の実態を速報的ルポルタージュにまとめ、7日の午前11時に全議員が参集した際に報告いたしましたが、その中で議員の災害時のおける行動マニュアルの整備が今後必要であると提起しました。
現在登別市の防災対策マニュアルや災害等に関する規定に、議会及び議員の役割が明記されておらず、今のところ災害時の行動は議員個々の自主判断にゆだねられています。災害における議員の役割を軸とした指針の策定、または議会基本条例に「危機管理」の条項の追加等、今回の大停電をモチーフに、新たな研究課題が自分の中で萌芽したと言えます。