歴史の符合

 戦後約70年が過ぎ、隣国が弾道弾を太平洋上に発射し続けています。これに対し、現在の日本は遺憾の意、強い抗議、これまでにない強い抗議、最も強い言葉で断固非難していますが、これが相手に対し何の効果があるのかは知れません。
 私の住むまちは朝7時頃、梵鐘のような警報音が吹鳴し、御詠歌のような調子で住民に警戒を促しておりました。どこか他人ごとのような気がしてなりません。

 戦艦大和の乗り組んでいた吉田満氏の著書「戦艦大和ノ最期」の中で、昭和20年、米軍艦載機との戦闘を控えた艦内における臼淵磐大尉の言葉が記してあります。
 「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ、日本ハ進歩トイウコトヲ軽ンジ過ギタ 私的ナ潔癖ヤ徳義ニコダワッテ、本当ノ進歩ヲ忘レテイタ 敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ 今目覚メズシテイツ救ワレルカ 」

 上記文章内の「進歩」を「国防」に、「私的ナ潔癖ヤ道徳」を「過去に対する反省や憲法第9条の墨守」、「負ケテ・敗レテ」を「撃たれて・落とされて」に置き換えると現在の日本の現状と近未来が浮かびあがってきます。

「国防のない者は決して勝たない、撃たれて目覚めることが最上の道だ、日本は国防ということを軽んじ過ぎた、過去に対する反省や憲法第9条の墨守にこだわって、本当の国防を忘れていた 落とされて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか、今目覚めずしていつ救われるか」

歴史には共通点があるようです。