先般、日頃より気になっていた自宅内にある数多の不用品の処分を思い立ち、投棄作業を行いました。
私の住む登別市は家庭ごみを自己搬入すると、100㎏以内であれば処分料500円で受け入れる「クリンクルセンター」という有難い処理施設があります。登別市内で発生したゴミに限りますが、規約どおり分別を行っていれば大抵のものは持ち込むことが可能です。
実家の軽トラックを借りて処分品を積み、処理施設に向かう途中、次いでに自宅から近い「登別渓谷駐車公園」のゴミ拾いを行うことにしました。周囲を見渡すと、雪解けと共に地表に現れたポイ捨てのタバコのフィルター、ペットボトル、空き缶、コンビニ弁当の空殻、段ボール、果てには羽毛布団までもが捨てられていました。
議員となって丸2年が経過し、以前より幾分か顔が知れているようですので、「地元市議のゴミ拾いパフォーマンス」と思われないよう帽子を目深に被りマスクをして作業を開始しました。時間は正午過ぎで、他地区(殆ど札幌)ナンバーの約10台のトラックをはじめ各種営業車が駐車しており、各々昼食と休憩をとっているようでした。散乱するゴミはかなりの量で、空き缶(なぜか缶ビールが一番多かった)は圧縮すると袋に入る量が増えますので踏みつぶし、ペットボトル残留腐汁の飛沫が衣服に付着する度やるせない気分になりながら、徐々に湧き出すポイ捨てへの怒りを回収エネルギーに変えて作業を進めました。
最後に羽毛布団を荷台に放り投げたのですが、これが鍵裂きに破れており、そこから大量の羽毛が飛散し、それが汗だくの首筋に付着し気分は良くない、むず痒くなるで一人ジタバタとしていました。
車内のドライバー達は私の作業を目にしていたはずですが、寝ているか、雑誌を読んでいるか、スマートフォンをいじっているかで、誰ひとり私に声をかけてくる人はいませんでした。それどころか私の目の前で車外にペットボトルを捨てた者さえいました。
登別市には議員提案による「登別市不法投棄、ポイ捨て及びペットのふん放置防止条例」があります。成立に至る背景には観光都市として景観の保全や環境等に対する市民の道徳意識が感じられます。登別渓谷駐車公園にゴミを捨てるその多くは登別市民ではなさそうです。
私は本州の各地で通算20年間暮らしましたが、どの地域でもこれほどの、いわゆる「ポイ捨て」は見られませんでした。北海道は路肩のゴミが他県よりは明らかに多く、これらを捨てる人間が北海道外からの観光客なのか、道民なのかは調べる術はありません。しかし山中や林道脇に不法投棄されている箱型のブラウン管テレビ、時には洗濯機等の白物家電も見受けられる場合があり、観光客がこれらを捨てるはずはなく、これらの投棄は北海道民の所業です。地域の有志団体が春、または秋に路傍のゴミを一掃しますが、春先にはまたゴミだらけ、元の木阿弥。北海道は本州に比べ未だ公共物等に対するモラルが隅々まで浸透していないのが現状です。
ゴミ拾いに一度でも参加したことのある人はゴミを路傍に捨てたりはしません。