「まだ訪問していなかったのか」これが率直な感想でした、先日ニュース等で報道された、今月末の現職総理大臣の真珠湾訪問です。
日米開戦前、日本では開戦準備と和平交渉が平行して行われ、野村・来栖両大使がアメリカ国務省と折衝を重ねていました。
しかし、外務省日本大使館の失態による外交手続きの遅れにより、最後通告の手交前に日本海軍機動部隊の真珠湾奇襲が始まり、湾内に停泊中のアメリカ太平洋艦隊に甚大な被害を与えました。
「リメンバー・パールハーバー」のプロパガンダにより、この攻撃は「だまし討ち」と捉えられ、アメリカ国民に強い怒りを植え付けてしまいました。
敗戦からサンフランシスコ平和条約に至る被占領国時代の間に、相応の対応がなされ、この問題はすでに解決済と思っておりました。しかし現在まで現職の首相は一度も真珠湾を訪問していない事実に、自分の不知を感じるとともに、なぜ今まで訪問していなかったのかという疑問が生じました。
報道等によれば「謝罪外交」との批判回避であるのことでしたが、最後通告の手交が遅れたことは、結果的には我が国の失策であり、早期に訪問し、戦没者に哀悼の意を表すべきでした。遅くはなりましたが今回の訪問は両国の間に存在する、この問題に関するわだかまりを解決し好転させる良い機会であると考えます。
我が国はことあるごとに謝罪を要求され、「過去の反省」を繰り返しております。かつて若い方に「何も悪いことをしていないのに、いつまで謝らなければならないの?」と質問されたことがあります。我々を含め、若い世代は相手に謝罪すべきことは何もしていません。改めてどのように謝れば許してくれるのかを聞き、然るべき対応をした後、この謝罪の連鎖はそろそろ終わりにしなくてはなりません。真の友であれば反省する相手に対して何度も謝罪を要求はしません。