参議院選挙の投票日が目前に迫っています。報道等で「3分の2」が議論されていますが、これはどのような意味を持つのでしょう。
すでに衆議院は2014年(平成26年)11月21日の選挙において定数475議席中、自民公明両党を合わせ326議席を獲得し、すでに3分の2を超えています。7月10日の参議院選挙で自民公明2野党を合わせ、78議席を獲得すると改憲勢力側が3分の2を超えることになります。
両院合わせ3分の2を獲得すると、政府与党は憲法第96条「日本国憲法の改正手続きに関する法律」に則り粛々と改正の手続きを進めることとなります。詳しくは政府広報オンラインや総務省のホームページに記載がありますが、戦後初、日本国憲法制定後初の国民投票実施の可能性が高まっています。
憲法改正原案は、自民党の「日本国憲法改正草案」がベースとなることが予測されます、これを両院憲法審査会で審議し、本会議にて3分の2以上の賛成で可決され、国会が憲法改正発議を行い、国民に提案となります。
国民投票の期日は、憲法改正の発議をした日から起算して60日以後180日以内に国民投票が行われます。
以上のように、現在おおきく取沙汰されている「3分の2」の意味は、今後の日本の体制に多大な影響を与えます。選挙の結果次第で、来年位にはこの国の在りようが大きく変わることが考えられます。国民投票はいわゆる最終的な手段であり、そこに至る前に国民としての意思を示すことは、選挙権が国民の権利であると同様に国民の義務であるように思えます。
政治に興味を示さず、後で「何か知らないうちに重要なことが決まってしまった」と思っても、時すでに遅しです。現在日本を取り巻く内外の情勢を知見し、選挙という権利と手段をもって、一人でも多くの有権者が自らの意思を示すことは、今後日本という船の針路を定める上で大きな方向舵となるのです。